3日目の対戦相手は、Sacred Heart University。
マンハッタンから車で約2時間程、コネチカット州にある緑に囲まれた美しい大学である。
驚いたのは元ロッテ監督ボビー・バレンタイン氏がいて、我々を歓迎してくれたこと。レッドソックスの監督を退任したあと、この大学の体育学部長に就任したそうだ。
試合の方は序盤、リードを広げる場面もあったが、徐々に自分たちのペースを取り戻した相手に攻め込まれる場面が目立ち、最終的に3対14で敗れはしたものの、外国人のプレッシャーや間合いにもずいぶん慣れ、全体的に適応しつつあるといった感じが見受けられた。
この勝てそうで勝てない最後の詰めの部分を今後どれだけ修正していけるか、伸ばしていけるかに、これからはかかっているだろう。三試合を終了してようやくエンジンがかかってきたのか、本来の実力が発揮されてきたようだ。
試合後は、わざわざ差し入れを持って応援に駆けつけてくれたOGの方へ挨拶も。こういう何気ないOBOGの気遣いに支えられることで慶應ラクロスの継続的な強化が可能となり、結果的に強豪でありつづけられる理由なのかもしれない。
その後は恒例のテールゲイト。NCAA Division1に所属する学校創立50年の若い大学だがそれ故か、かえってこうした国際親善や国際交流には大変熱心であり、コーチの方も非常に親切で、それ以外のテイルゲート等も写真の通り父兄も一体となった、大変熱のこもった歓待ぶりだった。
合流当初は、ほとんど部外者の私がチームにどうかかわるべきかあまり考えることもなく、帯同を引き受けてしまったので、どうしたものか思案していたが、いつも通り、先輩達、自分達、後輩達のことで自分の知っている限りのことは伝えるようにしていた。
ラクロスの技術や戦術的な話は全くしていないが、あくまでも実力主義、いい意味で上下関係がなく、学生主体という慶應ラクロスの伝統は脈々と引き継がれていた。想定外の強敵相手に戸惑いながらも、何とかしようという考えるアタマを彼らは持っているしスキルも高い。そして日本一を本気で狙う野心、ウチに秘めたハートも十分ある。
幸い大きな怪我をした選手もおらず、3日目を無事終了し、明日は一日オフで明後日のUPENN戦に向け、明日の夜ニューヨークを出発し、フィラデルフィアへ移動することになっている。あと4試合、これからの彼らの健闘を祈りつつ、遠征レポートを終了させて頂きたいと思う。