KEIO Men's Lacrosse Team, US tour 2014 Day 2:vs Hofstra University

2日目の対戦相手は、Hofstra University。

ホフストラは今年のNCAA FInalで決勝ラウンドに勝ち進んだRutgers以上の強豪である。普通なら対戦を断られてもおかしくないが、数年前ラクロス国際親善試合で来日したことがあり、その縁もあって今回対戦が実現したようだ。


ご覧の通り、素晴らしいスタジアムを所有している。試合前の練習も規律があり、よく訓練された様子が伝わってくる。何よりシュート練習の精度が素晴らしく、ほとんど枠をはずすことがない。


練習開始前のシュート練習でゴーリーのいないゴールに向かって全員が続けて正確にゴール隅にシュートをうち続け、しかも誰もはずさない様子は壮観ですらあった。ある程度予想された展開ではあったが、これは大変なことになるな。。という予感はこの日的中することになる。

案の定、慶應大学は第1Q開始早々から、Hofstra Univ.トップチームの猛攻を受け、フェイスオフから相手がゴールするまで、グランドボールはおろか、全くボールに触れることすら出来ない時間帯が続いた。フィジカル、基本的なスキルの正確さが全く異次元、とでも言うべきか。フェイスオフでポゼッション出来ないままディフェンスに追われ、そのままボールを回されディフェンスを崩され失点、の繰り返しで、前半はまさに本気のNCAA Division 1のトップチームの実力をまざまざと見せつけれる形となった。

後半は相手が選手を入れ替えたこともあり、少しゲームらしくなったが、オフェンス陣がどうも調子が出ない。1on1を仕掛けてはチェックを受けボールを落とされ、簡単そうに見えるパスミスからボールポゼッションを失ってしまい、なかなか攻撃につながらない。結局得点はふわっとしたラニングシュートがタイミング良く決まった1点のみで試合終了となった。

試合終了後は、記念のTシャツ交換し、互いの健闘を讃え合う。





ロッカールームに招かれ見学。選手一人一人に立派なロッカーが備え付けられており、グランド設備といい豊富なスタッフの数などさすがにアメリカのカレッジスポーツの施設面における充実ぶりが伺い知れた。

ロッカールーム見学の後はシャワーを浴び、着替えをすませテールゲイト(懇親会)の会場へ移動。父兄や大学関係者の方も観戦に訪れていた。



今日で最初の2試合が終了した。やや大げさな話になるかもしれないが、これほどの環境でこれだけの対戦相手と、ラクロスをやれる機会は、日本でラクロスをしている選手にとってほぼ訪れることはないだろう。おそらく日本代表であってもマッチメイキングは難しいのでないだろうか。最近の慶應大学ラクロス部を取り巻く環境を全く把握していないが、これまで国内の関東学生リーグ戦は全勝でファイナル4を勝ち上がっているようだ。そんな中で、フェイスオフやオフェンスで国内の大学生相手なら余裕を持って出来るはずのプレーが通じない、捨て身のディフェンスを見せてようやく止められるか止められないかという対戦相手に対してこの現状をどうやって打破していくのか。



こうしたある意味追いつめられた状況に置かれると、自ら立ち向かっていき壁を乗り越えていくのか、現実に目を背けて周りのせいにし、自分は居心地のいい場所に居座るのか、人間の本性を垣間みることができる。苦しいときの意識、行動に人間の真価が試されるものだ。一体この中の何人が、これからの遠征中に自らの殻を破り覚醒していくのか、じっくりと選手達の成長ぶりを見守りたい。

2試合を終えてのこの結果に、もしかしたら選手達は今まで築いてきたはずの自信を失いかけているかもしれない。だが右も左も分からない、当然言葉も通じない外国の地で、全身全霊をかけて何かにチャレンジするということを経験することは、これからの人生においてそうあることではないだろう。それは日本からやってきて、今ここでレジデントとして研鑽を積む私自身の経験からもはっきりと断言できる。一つの些細なミスコミュニケーションがファカルティの信頼を失うことにつながり、ほんの小さな治療上の不備やその積み重ねが治療の結果に大いに影響を与えてしまう。

それはここでも同じことが当てはまる。一つ判断やパスミス、キャッチミスがすぐに失点につながってしまうのだ。逆にいうと、このようなギリギリの状況ほど、自分を鍛えるられる環境はない。選手達にはこの痺れるような非日常とも言える毎日の中で、対戦相手の気迫を己れのエネルギーに変え、前に向かって全員一丸となってこれからの一戦一戦を戦ってほしいと思う。そして自分達のラクロス、ファイナル4から決勝、日本一に向かってチーム作りを進める上で何かを掴んでくれたら、OBOGとしてもこれほど嬉しいことはない。