2014年度ラクロス男子日本代表

二足のわらじ

ご存知の方はあまりいないと思うが昨日、男子ラクロスのW杯がコロラド州のデンバーで開幕した。
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今回のワールドカップ、1人医療関係者が日本代表選手として出場する。日本代表背番号9の継渉選手。彼は慶應の後輩でもあり、整形外科医として市中病院で激務をこなす医師でもある。

2014年男子日本代表インタビュー・継歩選手/日本ラクロス協会公式サイト

まだ私が歯学部生の頃、ラクロス協会で関東地区のユース選抜チーム(注:ラクロス経験1年未満の関東学生リーグ所属の選手を選抜し、日本代表選手を育成するための活動)でコーチをしていただが、彼のプレーを初めてみたのは、ユースの選考会の時で、彼が高校一年の頃だろうか。

当時はユース選抜のヘッドコーチとして、ATの彼ともう1人のDFの選手どちらを残そうかと最後まで悩んだのをよく覚えている。その頃は2002年のW杯を翌年に控え、日本代表のコーチ陣や強化部の方達と、「ストライカーは育てられるのか?」、「ストライカーはコーチングによっては育たないのではないか?』という議論をよくしていた。

最終的に私は彼を関東ユース選抜に選ばなかったが、その後その代のユース選抜の選手の中で、日本代表まで上り詰めた選手は彼1人。しかも5年後には日本代表選手になっていた。

私に選手を見る目がなかった、と言われればそれまでだが、芽を出す人間は、どんな環境にいても芽を出す、ということを私は知った。

ちなみにその時、選んだDFの選手も、その後見違えるほど成長して、慶應の主将として立派にチームを率いていた。高校時代の物静かな青年という印象から全く想像出来ず、これほど人間というのは、成長するものなのか、変れるものなのかと感心させらたものである。

他にも今回のラクロスW杯には、友人達が多く参戦している。というわけで、今回のW杯には思入れもひとしお、というよりほぼ関係者(?)の気持ち、といった感じだ。

今日のオーストラリアとの初戦は残念ながらサドンデスで13対14で敗れたが、結果に一喜一憂しないで、目の前のワンプレー、自分の役割やチームとしての戦術を達成することに集中した方がいいかもしれない。これから連戦が続くし、一戦一戦感情がブレてたらメンタルが持たない気ががしてならない。

非日常的なある意味「戦い」の日々を生き延びるには、メンタルが重要だ。今日も最後にサドンデスで点を決められた時に私は「よし、次!」とすぐに心の中でつぶやいていた。負けた瞬間にネガティブな感情が沸いてこなかったことに、自分でも驚いたが、おそらくこの海外生活三年間のストレスフルな日々の中で、自分のメンタルをコントロールする術を身につけたのかもしれない。

昨日も、今夏からアメリカの歯学部大学院でエンドのレジデンシーを始められた日本人の方から相談を受けた時に、同じことをアドバイスした。先のことを考えると(試合だと勝ちを意識した瞬間、どうしても固くなってしまうので)、慣れない海外での(しかも日本人がまわりにいない)レジデントだと、不安、挫折、怒り、絶望など、少しでもネガティブに考え出すと止まらなくなってしまう。いつもポジティブに、何があって笑顔で前向きに、目の前の自分の出来ることに集中する。結果は終わった時に考える、「評価」は自分がするものでなく、他人がするものだ。。これは毎日自分に言い聞かせている言葉でもある。

なにはともあれ、男子日本代表のW杯での活躍はいかに。